立川市柴崎町の小林歯科クリニックは予防歯科・歯周病治療に取り組んでいます
ブログ
  • HOME »
  • 歯ぎしりと歯周病

歯ぎしりと歯周病

歯ぎしりの原因

歯ぎしりと歯周病の関係

歯ぎしりにはいろいろなタイプがありますが、共通していることは、歯周病を悪化させてしまうという事実です。

歯ぎしりは瞬間にぐっと噛んでしまうケース、24時間のうちほとんど上下の歯を接触させている場合など大なり小なり、普段の生活の中で歯に力をかけています。

ちなみに歯科矯正で歯が動く力は3gからといわれています。歯ぎしりは人によっては100キロ以上もの大きな力で歯に負担をかけている場合があります。

噛み合わせにかかる力はオクルーザーという力を診る機械で調べることができます。

オクルーザーについて詳しくはこちら

歯に大きな力がかかる歯ぎしりをそのままにすると、歯を支えている歯の周りの骨が影響をうけ、骨が吸収されます。

さらに歯周病菌の活動性が大きいと、歯茎に力と炎症の負担がかかり、歯がグラグラしたり、歯が抜けるなど歯周病が進行してしまいます。

したがって、歯ぎしりは食事などの歯や歯茎にかかる力の何十倍もの力が加わる為、睡眠時も無意識に歯ぎしりがある場合は一日の歯ぎしりをしている時間も長くなり、歯周病を悪化させてしまい、注意が必要です。

歯ぎしりの原因について

1.筋肉のバランスが悪くなっている

歯が痛いとき、詰め物や冠の高さが不適合なとき、歯を抜いたまま放置している時など、噛み合わせがおかしくなり、あごの筋肉の緊張がアンバランスになっているといえます。したがって肩こりにもなります。

2.精神的、または肉体的なストレス

寝ている間に多く、無意識に強く咬んでいます。噛み合わせに問題がない場合は、なるべくストレスをなくす様にすることが大切です。

3.パソコンやスポーツなど、集中力を必要とする場合

歯を接触して食いしばりなどの歯ぎしりの一種を引き起こしています。

歯ぎしりによる影響

歯ぎしりは、あらゆる歯や歯肉のトラブルを引き起こし、歯の痛みの原因治療に大きく関与します。

何度も歯の治療をやりなおす前に、歯ぎしり、くいしばりの治療をしてほしいのです。歯を抜いたり、歯の神経をとらずにすむかもしれないのです。

1. 歯が擦り減る、歯周組織が損傷する、骨の隆起が起こる、などのダメージ

骨の隆起(外骨腫)とは歯の周りの骨が異常に突出する病気です。また、顎関節症もあります。( 写真は「ブラキシズム」医歯薬出版より引用)

歯ぎしりによる影響

2.耳鳴りがする、頭痛、肩こり、めまい、自律神経失調症、口の周りの筋肉の痛み

3.睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が停止し、その結果脳が酸欠状態となり、突然死を引き起こすこともあります。

4.かみ合わせが悪くなる

歯ぎしり(ブラキシズム)によって、早期には咬み合わせや歯肉などにも影響が出てきます。 擦り合わせる動きを繰り返すと、歯が全体的に外側に拡がるように動いてしまいます。 なので、インプラントを入れている方は注意が必要でしょう。

かみ合わせが悪くなる

5.歯周病

歯ぎしりを繰り返していると歯に加わる咬合力により、歯肉や組織に炎症が起こり、歯周病がひどくなるのです。

6.歯の根の先に病巣ができる

この場合は根管治療といい、歯の中の神経や病巣の膿を取り除く治療を必要します。

7.歯の動揺

歯ぎしり中に当たっている歯の本数が少なく、数本に集中している場合、その歯が力を強く受けグラついてくることがあります(咬合性外傷)。これは、一種の打撲とも言えるでしょう。

8.知覚過敏症

歯ぎしりが繰り返されると、歯の根元が磨り減ったようにえぐれてくること(アブフラクション)があり、そのため水などがしみるという知覚過敏が起こります。

アブフラクション

マウスピースで緩和することもできますが、歯ぎしりがひどい場合は歯の痛みが治まらず、歯の神経の処置をしなければならない事もあります。

9.虫歯治療の被せものや金属が取れやすくなる

毎日のように繰り返される歯ぎしりの衝撃のため、被せものの一部が欠けて、詰めている金属などが外れやすくなります。

10.入れ歯などの破損、インプラントの破折、歯の破折やひび

思わぬ方向に咬合の外力が働き、痛みや歯周病の進行に関与します。

子供の歯ぎしり

子供の歯ぎしりの原因

1.成長反応の現れ

子供の歯の成長のために、歯ぎしりは必要で、赤ちゃんや幼児などの小さい子供は、歯ぎしりによって上あごを鍛えているのです。
また、混合歯列期の10歳以下の子供の場合も、乳歯と永久歯の生え変わりの時期に、歯ぎしりをすることが多くみられます。

2.ストレスを抱えているために歯ぎしりをしている場合もあります。

3.咬み合わせに問題があって歯ぎしりをしている要因も考えられます。

子供の歯ぎしりの原因がわからず、心配な場合は歯科医に相談したほうが良いでしょう。
精神的な要因が大きい場合は心理カウンセラーの紹介を受けましょう。

かみ合せについてはこちらもご覧ください>>

▲歯ぎしりと歯周病のTOPへ

歯ぎしりの分類

歯ぎしりの分類について

歯ぎしりは4つのタイプに分かれます。

1.歯ぎしり型(グライディングタイプ)

歯ぎしり型(グライディングタイプ

グライディングタイプ 上下の歯を擦り合わせる一般的によく考えられる歯ぎしりです。下の顎が左右にすばやく動いた状態を繰り返します。音は「ギリギリ」と出ます。
睡眠中に多く見られます。この動きは起きていて意識があるときに動かそうと思っても、再現するのは難しく、無意識に早く、大きく動かしている人が多くみられます。

2.タッピングタイプ

上下の歯をぶつけあうタイプの歯ぎしりです。下の顎が上下に動く状態を繰り返すため、「カチカチ」「カンカン」といった音が出ます。
軽くカチカチ当てる人から強く歯を当てる人まで力のかけ方は、さまざまです。

3.咬みしめ型(クレンチングタイプ)

咬みしめ型(クレンチングタイプ)

上下の歯を強く咬みしめるタイプです。日常の生活で、仕事やスポーツの時など、上下の歯に力を入れてぎゅっと強く咬みしめた状態が習慣化しています。顎に大きな力がかかっていますが、音はほとんどしません。

自分の体重ほどの力で、咬む人もいます。また、睡眠中に無意識に咬みしめている人は、朝起きた時にあくびをしようとすると、こわばりを感じる事が多いようです。

4.きしませ型(ナッシングタイプ)

きしませ型(ナッシングタイプ)

きしませ型は、ある一定の限られた部分でこすりあわせる歯ぎしりのタイプです。夜間にみられ、キリキリ、キシキシときしむ音がします。
特定の歯の場所でこすりあわせるため、数か所の歯だけがすり減っています。
この4タイプの歯ぎしりを混合してする人もいますし、人によって様々です。歯ぎしりは歯や体の健康にいろいろな影響を与えてきますので、改善していく意識が必要です。

歯ぎしり(ブラキシズム)の特徴

1.歯ぎしり型(グライディングタイプ)

歯ぎしり型(グライディングタイプ)

歯ぎしり型 歯がしみる、エラが張っている、詰めものがはずれる、
歯の付け根のくぼみ、歯ぎしりの指摘をされた事がある、
極度の歯のすり減り

2. タッピングタイプ

カチカチ、カンカン、とぶつける音がする、歯ぎしりの指摘をされた事がある。

3.噛みしめ型(クレンチングタイプ)

噛みしめ型(クレンチングタイプ)

噛みしめ型 あごのこわばり、骨の隆起、ストレスがたまりやすい
あごの関節の痛みや音、詰め物がはずれる、咬みしめ、肩こり、頭痛、めまい、歯が割れる、歯にヒビが入る、ほほの内側の粘膜に歯のあと、

4.きしませ型(ナッシングタイプ)

きしませ型(ナッシングタイプ)

歯ぎしりの指摘をされた事がある、犬歯などのすり減り、骨の隆起、歯の付け根のくぼみ(アブフラクション)、歯がしみる

▲歯ぎしりと歯周病のTOPへ

歯、歯肉の痛み、知覚過敏と歯ぎしりの関係

歯、歯肉の痛み、知覚過敏と歯ぎしりの関係

知覚過敏とは、冷たい水や甘いものなどを口に含んだ時、歯ブラシが歯にふれた時に感じる痛みをいいます。

この知覚過敏の原因として一番多く見られるのが、就寝時の食いしばり(歯ぎしり)によるものです。
睡眠中、無意識による夜間の歯ぎしりやくいしばりは驚くほど歯にダメージをあたえています。通常起きている時の食事や仕事の集中時などに起こる歯ぎしりに比べると、何倍のもの力でこすり合わせるので、歯の表面が著しく磨耗したり、ヒビがはいったり、時にはかけることもあります。
また、歯の付け根の部分がえぐれた状態(アブフラクション)になることもあります。そういう状態になると、虫歯になっていない歯でもちょっとした刺激で痛みを伴い、知覚過敏となってしまうのです。

歯の神経には毛細血管や知覚神経が無数に存在しています。これらが、歯ぎしりによって過度の刺激を受けると血管は充血し神経は敏感になり、突然、歯の痛みに襲われたり、重度の歯ぎしりでは歯肉が痛くなったり、腫れたりします。なので、これらの痛みの原因は歯ぎしりなのか、歯や歯肉の病気なのかとの鑑別が必要になります。
小林歯科クリニックでは、オクルーザーによる咬合力検査にて、鑑別診断を行っております。

知覚過敏の治療は軽度のものであれば、薬の塗布などの治療で治ります。中度になると、就寝中にマウスピースを装着することが必要です。重度になると歯の神経をとる処置が必要になる事もあります。

▲歯ぎしりと歯周病のTOPへ

歯ぎしりを治すには

歯ぎしりを治すにはどうしたらいい?

日常生活の中で歯が強く咬み合うのは、主に食事の時間です。

通常は軽く歯を閉じている状態だと思います。しかし、その他の時間も強く咬み合わせていることの多い人は、歯ぎしりが疑われますので、そういう癖がないかどうか、気を付けてみましょう。 咬み続け癖ともいいます。

特に、集中している時や緊張している時に強く噛みあわせてしまうことが多いようです。その場合は、気がついたら食いしばりを緩めてリラックスするよう心がけ、意識して癖をなくしていくようにしましょう。癖をなおすには日常行動を変えることを必要とします。習慣逆転法といいます。
「歯をはなそう」というメモをいろいろなところに張ります。メモをみたらフーッと肩の力を抜いて、息を吐いて脱力します。

顔の筋肉をマッサージなどで緩めるのも効果的です。
あくびも良いでしょう。アロマセラピーによる筋肉のリラクゼーションもあります。
歯ぎしり防止法としては、睡眠姿勢を正すことも必要です。合わない枕、ベッドもストレスになり、歯ぎしりの原因となります。また、うつ伏せや横向きで長時間寝るとあごがずれ、咬み合わせが悪くなり歯ぎしりを起こします。

良い睡眠姿勢は上向きで、鼻呼吸による深い呼吸が自然にできることです。
よい睡眠姿勢が、らくに上手くとれるような寝具や枕を整えることも一つの手でしょう。上向きに寝た時に、自然に立っている時のように背骨が適切なS字形カーブを描く状態になるよう、枕とベッドなどを選ぶと良いでしょう。そうした自分自身にベストな姿勢を保てる寝具では、上向きで眠れやすくなります。また、気道が開いて呼吸がスムーズにできるようになるため、安眠効果もあります。

良い睡眠姿勢を保つため、やや長めの睡眠時間をとることもよいでしょう
また、歯ぎしりのある人は食事時間が短い、飲み込むのが早いという傾向があるので注意しましょう。

歯ぎしり予防、緩和ケアとしてのマウスピース

歯ぎしりをやめようと思っても、睡眠中などの無意識下ではなかなか難しいのが現状ではないでしょうか?
歯ぎしり予防として手軽に使用できるのが、マウスピースです。マウスピースは上顎の歯列に装着します。

歯ぎしりは主に睡眠中に行われるので、上下の歯にかかる力の緩和の為に、夜間マウスピースを装着します。また、パソコン、通勤、仕事、車の運転、重い物を持つ、など日常の生活の中で、歯ぎしりをする時間がわかれば、その時に装着しても良いでしょう。マウスピースのシートは透明で硬さはソフトのタイプを使用しますので、人からは装着していることはわかりにくいです。発音にも影響しないので大丈夫です。
マウスピースの厚みは1ミリから2ミリといろいろありますので、マウスピース用にお口の型(上顎)をとる時に相談して、選んでいただきます。

歯ぎしりの治療法

マウスピースで緩和処置をはかりながら、歯ぎしりになった理由を身体的、精神的にわけて、治療していく事が大切です。
身体的な理由の場合は、態癖による咬み合わせのずれを生活習慣の改善により、治していきます。
また、お口の中に咬み合わせをずらしている様な不適切な詰め物、クラウン、ブリッジ、入れ歯など、再製作を行い、もしくはオクルーザーによる咬合検査を行い、咬み合わせの調整を行います。

咬筋などの筋肉に歯ぎしりによる痛みがあり、開口に違和感がある場合は、口腔内のアロマセラピーによるリンパマッサージなど、緩和処置を図ります。
場合によっては、口腔内科による漢方(保険外になります)を使った体質改善を行います。
精神的な理由の場合は、心療内科などのカウセリング、及びリラクゼーションを目的とした、アロマセラピーの芳香浴などをおすすめし、ストレスの原因となる生活の改善に努めていただきます。

▲歯ぎしりと歯周病のTOPへ

PAGETOP