立川市柴崎町の小林歯科クリニックは予防歯科・歯周病治療に取り組んでいます
ブログ
  • HOME »
  • ブログ »
  • 歯周病

タグ : 歯周病

患者さんインタビュー2

Hさん、85才、健口長寿は予防歯科から

八王子から定期健診と歯周病の予防に通院されているHさん、ステキな笑顔の女性です。

実際のご年令よりも10才以上に若々しいお姿の秘訣はお口の健康にあるのだそうです。

今日はインタビューに応じてくださり、ありがとうございます。

Hさん、85才

○小林

小林歯科クリニックに治療に来院されるきっかけは?

●Hさん

はい、前の歯医者さんで歯槽膿漏で、歯が割れていて、抜いてインプラントにしましょう、と勧められて。私はなるべく歯を抜きたくなかったので、友人の紹介でこちらにお世話になりました。

○小林

そうだったですね。良かったです。あの歯を抜かずに済みましたね。その代わり、歯周病を進めないように、通院してくださり、有難いです。歯の事ですが、全部揃っていらっしゃいます。80代で素晴らしいです。 8020運動がありますが、それをクリアされています。あと、歯の質が硬くて虫歯になりにくいと思います。今まで、ご自分で気を付けていることなどございましたら、教えてくださると助かります。

●Hさん

食事は固いものも含めて食べるように、また、歯磨きをするように心がけています。

○小林

そうなのですね。素晴らしいです♪
きっかけは何だったのでしょうか?
お生まれはどちら?

●Hさん

はい、北海道の札幌です。

私は子供の頃、病気がちで、小学校の時は休みがちでね。
母が心配して、何とか丈夫な身体に育てようというので、頑張ってくれた様です。当時は珍しくお米にカルシウムを混ぜてご飯にしてくれて、そのおかげでしょうか、歯の健康優良児に札幌市で表彰されたんですね。母のおかげで今があると感謝しています。

○小林

ありがとうございます。私は多くの方々が自分の歯で美味しく食事をして、健口長寿になっていただくため、歯周病、歯周内科に取り組ませていただいています。

小林歯科クリニックで感じた事を教えてください

●Hさん

お口の中がさっぱりして、気持ちが良くなりました。日常はクリニックの歯磨き粉を使わせていただいて、定期的に歯と歯ぐきのお掃除にきています。これは、自分ではケアが難しい歯周病のある歯を、歯周病が進行しないように、治療してもらって説明もしてくださるので、おまかせできる安心感が嬉しいですね。

○小林

ありがとうございます。私たちも頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。

歯科診療と妊娠01~母子手帳を活用しましょう~

妊娠すると市町村から母子健康手帳を受け取ると思います。

母子健康手帳には、妊娠中~出産~出産後の妊婦の健康状態や、アドバイス、出産の重要事項、生まれてきた子供の健康状態などが記載されます。

また、生まれてきた子供の成長記録や予防接種の記録にも使われます。

母子健康手帳

妊娠中も歯科検診をしたほうがいいの?

妊娠をするとお腹の中の赤ちゃんに害があるのではないか、、、と思い虫歯があっても歯医者さんに行かない方がいますが、それは間違いです。

妊産婦歯科検診って?

定期的に行われる妊婦健診では、お口の中の状態までは見てくれませんよね?

そのため、ご自身で歯医者へ行き歯科検診を受けてもらうか、自治体によっては歯科検診費用の助成や、母子手帳を受け取るときに合わせて歯科検診を行ったり、案内を受けることが多いようです。

気になる方は市役所や保健所の方に問い合わせてみてください。

ではどうして妊娠すると歯科検診したほうがよいのでしょうか?

詳しくお話しします。

1.妊娠中に虫歯や歯周病が進む

妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されます。このホルモンはお口の中にも影響を及ぼすため、歯周病になりやすくなります。

また、つわりがひどい方などは歯磨きを入れるだけでも気持ち悪いと感じられる方も多くいます。その結果お口の清掃状態が悪く、細菌が増えることで虫歯が悪化したり、歯茎が腫れたりというトラブルにつながります。

2.歯周病の悪化で胎児に影響が!

重度の歯周病になるとお腹の中の胎児にも影響が出てきます。歯周病は歯の周りの組織が細菌感染することで起こります。

この細菌がお母さんの血液を通って子宮内に感染してしまうことで、低体重児出産や、早産の危険性が高まると言われています。

3.口腔内をキレイに保ちましょう

先ほどもお話ししたように、つわりが原因でお口の中の清掃状態が悪かったり、虫歯があるのにそのままにしていると産まれた赤ちゃんに虫歯菌が移ってしまいます。

よく知られているのが、スプーンなどを親子で共有すると唾液の中の虫歯菌が赤ちゃんに移ってしまうというものです。

出産後は育児が忙しく歯医者に行く時間をとるのも難しくなります。

そうならないためにも、赤ちゃんが産まれる前にしっかりと治療しておきましょう。

皆さんのお口は大丈夫?~歯周ポケットについて~

皆さんが歯医者に行かれた時に、歯茎の検査で歯周ポケットが深くなっていますねと指摘を受けたことのある人は多くいるのではないでしょうか。

今回は歯周ポケットについて詳しくお話しします。

歯周ポケット

歯周ポケットとはどのようなものをいうのでしょうか

歯周ポケットは、歯と歯茎の境目の部分の溝のことを言います。

言葉だけだと歯と歯茎の溝なんてないよ!と思う人がいるかもしれませんが、実際見てみると歯と歯茎の境目に歯隙間が空いていて、健康な歯茎の人でも歯と歯茎の溝は1mmから3mmほどあります。

どうして歯周ポケットができてしまうのでしょうか

歯周ポケットができる原因はしっかりとした口腔ケアができていないとうことです。

お口の中の口腔ケアがきちんとできていないと、歯周ポケットのまわりにプラークなどの汚れがたまります。プラークは細菌の塊なので歯周ポケットに入り込み炎症を起こし、歯周ポケットを深くしていきます。

また、銀歯などのかぶせものがしっかり歯とあっていないと隙間ができてプラークがたまりやすくなり、結果的に歯周ポケットができてしまいます。

歯周ポケットによって起こる口腔内の変化

プラークが次第に歯周ポケットに入り込み歯茎の中で炎症を起こすと歯茎が腫れたり出血したりする歯肉炎になります。また、歯肉炎が進行すると歯を支えている骨が溶かされて歯周病になり、歯周ポケットがだんだん深くなります。また、細菌がたまることで口臭がでてきます。

歯周ポケットの検査方法

では、歯周ポケットはどのように測定しているのでしょうか。

もちろん自分でものさしで測定するといったことはできません。歯科医院では、ポケット探針(プローブ)などという専用の器具を使用して測定します。気になる人は一度歯科医院で見せてもらってみてはいかがでしょうか。

歯周ポケットの治療できるの?

歯周ポケットが深いということは、その中にはプラークなどの細菌がたまっています。これを歯ブラシで掻き出そうとしても歯茎の中なので無理です。そのため、歯科医院で歯茎の中の汚れをSRP(スケーリングルートプレーニング)や、超音波の器具を使い汚れを取っていきます。

柔らかい汚れもあれば、固く歯石となってしまっているものもあります。

このように、歯周ポケットができてしまうと自分では汚れを落とすことはできません。

歯周ポケットができるまえにしっかりと口腔ケアを行いましょう。また、定期的に歯科医院へ通い歯周ポケット測定をしてもらいましょう。

認知症と歯の関係

みなさん「認知症」という病気を聞いたことがあると思います。

認知症と歯には関連性があることをご存知でしたでしょうか。

高齢者

認知症とはどのような病気?

認知症は年齢を重ねるにつれて脳の働きが悪くなり、脳の細胞が死んでしまう病気です。認知症は70歳以上の方の中で2番目に多い障害疾患と言われています。昔は日本では「痴呆」と呼ばれていました。

認知症にも種類がある

認知症の中にもいくつかの種類があります。

例)アルツハイマー型、前頭側頭型認知症など

認知症と歯科との関連性

今回は認知症と歯科の関連性についてお話しします。実は歯がない人は認知症になる確率が1.9倍にもなるといわれています。ではいったいどうしてでしょう。

歯がないことで脳に悪影響が

人間は物を食べるときに脳を刺激します。そのため、歯がなかったり、残存歯が少なかったりすると学習能力や記憶をつかさどる脳などが刺激されなくなり、悪い影響を与えるといわれています。

食事をするときは意識して噛む

このように歯は物を噛むだけではなく、脳への刺激を与える働きもあります。また、物を噛むときに噛むことを意識しないで食べるのと、意識して食べるのでは脳への刺激も変わってきます。脳に良い影響を与えるためにも噛むことを意識して食事をするのもいいかもしれません。

残存歯がない人は・・・・

では、今歯がない人はどうしたらよいのでしょうか。

その場合は、インプラントで人口の歯を入れる、難しい場合は入れ歯を入れるという措置をとり、きちんと噛めるようにしましょう。

歯周病と認知症の関係

歯周病が認知症の原因であるという指摘が増えてきているのは確かなことです。歯周病で歯を早くに失うことは認知症のリスクを高めることにつながるのです。

歯周病は、糖尿病や脳梗塞などといった全身の病気にかかわります。

 

このように歯はお口の中だけでなく全身と関係しています。

しっかりと口腔ケアをしていきましょう。

 

歯周病は感染症

成人の約90%が知らないうちに感染していると言われている歯周病。

最近では10代~20代で歯周病になる患者さんも増えています。(若年性歯周炎)

歯周病は自分がなっていなくても、家族や他人、ペットから感染する可能性があります。

知っている方も多いかもしれませんが、歯周病は箸の使いまわしやキス、飲み物の飲みまわしなどで感染してしまう可能性があります。

もちろんお子さんがいる方がスプーンの使い回しなどをしただけでうつります。

例えば結婚されている方で、旦那さんが歯周病だったとしましょう。奥さんが歯周病でなくても、旦那さんからキスなどで菌がうつります。奥さんの免疫力が落ちている時や、疲れているときなどに発症する可能性があります。そのため、夫婦やカップルで歯周病の予防を行う事がよいでしょう。

では、歯周病を他人にうつさないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

◎お口の中のキレイな状態を保つ事!!

つまり、お口の中にプラークや汚れを貯めずに清潔にする事が大切です。

先ほど歯周病はキスや箸の使いまわしなどでうつるといいましたが、感染したからといって歯周病が発症するとは限りません。

歯周病に感染し、体力が落ちていたり、抵抗力が落ちている時に発症します。

【子どもは歯周病にならないの?】

最近、子どもの歯肉炎が増えてきています。子どもの歯周病ってあまり聞きませんよね?

子どもは大人に比べると歯周病になるリスクが低いと言えます。しかし、子どもがかからない病気ではないということを知っておいて下さい。そのため、小さいうちからしっかりお口の中を清潔にし、定期検診を受け、キレイな口腔環境を維持する事が大切です。

【ペットからもうつるの?】

お家に犬や猫などのペットを飼っている方も多いと思います。ペットも家族の一員ですが、犬や猫にお口の周りをなめられたりすることでも感染の可能性がありますので注意して下さい。

このように、歯周病は感染症です。自分やパートナー、子どものお口の中の健康を保つ為にもしっかり口腔ケアしていきましょう。

歯周内科治療はこちらへ→

口の中にカビが生える?!

お口の中のカビ・カンジダ

みなさんが生活していく上で、キッチンの洗い場やお風呂場などの水周りにはカビが生えやすいという事はご存知かと思います。

しかし、お口の中にもカビが生えるという事を知っている人は少ないのではないでしょうか。

口腔カンジダ症とは、お口の中にカンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)という真菌(カビ)が異常に繁殖して起こる感染症です。

Wikipediaより→

原因

口腔カンジダ症は、カンジダアルビカンスという菌が原因で起こります。

しかし、このカンジダ菌はみなさんのお口の中に常にいる常在菌です。

そのため、誰でもカンジダ症を起こすリスクを持っています。

カンジダ菌は常在菌

カンジダ菌は常在菌のため健康な人には発症しません。特に発症しやすいのが、体が疲れているときや、風邪などで免疫力が低下している時、乳幼児や高齢者などの体が弱い人、癌の治療などで抵抗力が低下している時にカンジダ菌が増殖しやすくなります。

また、糖尿病や長期間抗菌薬を服用している方もカンジダ症を発症する原因の一つです。

症状

カンジダ症には急性型と慢性型があります。

・急性型

偽膜性

お口の中の粘膜の表面に、乳白色、灰白色の白い苔状のものができる。

形としては、斑紋状、点状、線状のものが付着する。

偽膜性はガーゼやティッシュでぬぐいとることができる。

萎縮性

白苔がないのが特徴。

偽膜性よりもヒリヒリとした痛みがある。

舌乳頭の萎縮など。

肥厚性

カンジダ症が長引いて慢性化したもの。

白苔は粘膜からはがれにくい。

粘膜の上皮がまだら状に厚くなる

治療法

内服薬、塗り薬、うがい薬などを服用する事で効果があります。

カンジダ症を発症しないためにも、お口の中の常在菌であるカンジダ菌を増殖させない事が重要になります。

口腔内は清潔に

そのために、お口の中を清潔に保つようにしましょう。入れ歯を入れている方は特に、入れ歯の素材にカンジダ菌が付きやすいので入れ歯を清掃する時は水だけでなく、専用のブラシや、入れ歯洗浄剤なども併用してこまめに洗うようにしましょう。

お口の中を見たときに白い苔のようなものが見られたら歯科医院に相談するようにしましょう。

Q3 歯周病菌はうつりますか?

うつります。特に離乳時にお母さんがひどい歯周病や虫歯にかかっていた場合、口うつしで赤ちゃんに食べさせますから、うつる確率は高くなります。なので、お母さんは口腔ケアに心がけてください。
キス、お鍋を囲むなどは箸で感染する事もあり、気をつけましょう。

お口の中の菌は赤ちゃんに移る?の記事はこちらへ

▲歯周病Q&AのTOPへ

Q5 知覚過敏の治し方は?

知覚過敏は放置していると、痛みのために歯磨きがおろそかになり、虫歯や歯周病を悪化させます。

丁寧にプラークを除去したら、研磨剤の入っていない薬用歯磨き剤を使用したのち、フッ素を多く含む薬用ジェルを歯に塗布すると良いでしょう。

また、再発防止のために、歯ぎしり、食いしばりなどを改善しましょう。
マウスピースも有効です。

「歯、歯肉の痛み、知覚過敏と歯ぎしりの関係」の記事はこちらへ⇒

▲歯周病Q&AのTOPへ

Q10 歯周病の歯を残したままだと、どうなりますか?

歯周病になった歯をそのまま放置しておくと、全身の健康に影響があります。

  1. 歯周病菌の毒素が身体に入り、心臓、血管疾患、低体重出産などに関与します。
  2. 体調が悪く、寝不足など免疫が落ちていると、歯周病が急性化して、ひどい腫れや痛みが出ます。
  3. 歯周病にかかっている歯は、ぐらぐらになり、最後には抜けます。
  4. 歯周病になった歯の周囲の歯にも、歯周病菌の感染が起こります

▲歯周病Q&AのTOPへ

Q12 下の前歯が重なってきた、または前方にずれてきた原因は?

歯並びは一生の間に、生理的、病的に変化します。特に親知らず萌出力による前方への力は強く、その影響により、下の前歯が重なってくる場合があります。

歯周病にかかった前歯が前方にずれることもあります。

▲歯周病Q&AのTOPへ

本当は恐ろしい病気 骨粗鬆症と歯周病の関連性について

昨今の健康ブームに乗って新聞やテレビ、インターネット等で様々な情報が入ってきます。

なかでも骨粗鬆症は、最近健康を気遣う更年期の女性の方から、特に関心のある話題のようです。現在日本では骨粗鬆症の方が、推定約1.100万人以上いると言われています。そして、その約90%が女性で、75歳以上になると半数以上が骨粗鬆症になります。

骨粗鬆症とは、骨の形成と吸収のバランスが崩れることによって骨量が減少し、骨組織の微細構造が弱くなり骨強度が減少する病気です。骨粗鬆症が直接生死に関わる恐ろしい病気の様に感じない方も多いと思います。ですが、骨粗鬆症により背中や腰が痛くなったり、曲がったりして、 ひどくなると骨折をおこして寝たきりになってしまいます。寝たきりになると5年生存率は約50%と高く、決してあなどれない病気なのです。

骨粗鬆症は年齢と共に進行すると言われています。特に女性の場合は閉経後にその進行が著しく、男性と比べても大きな骨密度の減少を示します。この原因は女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少と関連すると考えられています。

骨粗鬆症は一口でいうとカルシウム不足が原因で起こる病気なので、予防には積極的にカルシウムを摂取することが望ましいと言われています。カルシウムの1日の理想摂取量は600mgです。また、閉経後や妊娠中・出産後には800mgの摂取が推奨されています。

骨粗鬆症と歯周病は一見無関係のように思われがちですが、実は密接な関係にあるのです。骨粗鬆症やエストロゲンの分泌低下、カルシウムの摂取不足が直接歯周病を引き起こすことはありませんが、歯周病を悪化させる要因の一つになるのです。

なぜなら、骨粗鬆症によって骨がスカスカになることは、身体全体に言えることなので、当然口の中の骨の量も少なくなるのです。歯周組織の骨がスカスカになっていれば、歯周病によってさらに骨を溶かすことはたやすい事です。

したがって、骨粗鬆症の方は歯周病になりやすく重症化しやすのです。現在、骨粗鬆症の簡易検査を行える歯科医院も増えており、歯科定期検診が骨粗鬆症の早期発見につながります。

歯周病も、骨粗鬆症も痛みもなく気づかないうちに病気が進行します。そして重症化してからでは取り返しがつかないのです。

全身状態の健康維持のためにも、定期的な歯科検診を受けましょう。

歯周病と全身疾患についてもご覧ください>>

歯周病にタバコが及ぼす影響~まだタバコを吸いますか?

近年、喫煙者の肩身も狭くなり、喫煙もいたるところで制限されています。喫煙場所が減ったことやタバコの値上げなどで喫煙率は減少していると言われています。

~~2012年「全国たばこ喫煙者率調査」(日本たばこ産業株式会社)~~

喫煙者率が減少傾向にあるものと考えております。この要因は複合的であり一概には言えませんが、高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、増税・定価改定等によるものと考えております。

日本においても禁煙キャンペーンなどが盛んに行なわれており、タバコの害については皆さんも承知のことと思います。タバコは、百害あって一利なしと言われていますが、タバコの害と生活習慣病とは密接な関わりがあります。なかでも、歯周病の方の喫煙は、最も危険な因子のひとつと言われています。

最近のデータによると、一般にタバコを吸う人は、吸わない人に比べ、3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯を失っているという報告があります。また喫煙本数に比例して歯周病が重症化することも分かっています。さらに、喫煙による不快な口臭、味覚の鈍麻、歯肉の黒色化や歯面の着色など口腔内環境を悪化させます。

喫煙者の歯周病の特徴として「炎症症状が少ない」ということがあげられます。歯周病はあまり症状が現れないままジワジワと進行することが多いのです。その中でも「歯茎の腫れ」「ブラッシング時の出血」は比較的自分で気づきやすい症状です。

しかし、喫煙者の歯周病ではこれらの症状が現れにくいのです。でも、これは決して歯周病が軽症だということではありません。

歯周病になると、歯茎が腫れたり、膿んだりしますが、タバコに含まれている化学物質が喫煙者の歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまうのです。

つまり喫煙者は自覚症状がほとんどないまま歯周病はどんどん進行し、炎症症状が現れにくいために、自分で歯周病の進行に気づきにくいので歯周組織の破壊が進んでしまいます。そして重度の歯周病に進行するというわけです。

歯科医院では歯周病の進行に応じて様々な治療が行われていますが、どのような歯周治療に対しても喫煙者では治りが悪いことが報告されています。歯周病は全身の病気と密接な関わりを持っています。

歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。

お口の健康も害するタバコ、この際真剣に喫煙習慣を見直して見ませんか?

虫歯と歯周病は感染症

患者さんから

「治しても、治してもまた虫歯になってしまう。」
「きちんと磨いているのに、虫歯になってしまう。」

こんな話を聞くことがあります。

自分ではきちんとケアをしているつもりでも、再発してしまう…これには原因があったのです。それは、虫歯、歯周病は感染症のひとつだという事です。

感染症とは

感染症といえば、インフルエンザやエイズなどが思い浮かびます。感染症とは、ウイルスや細菌、寄生虫などの微生物が体内に侵入し、組織や臓器の中で増殖し、その結果生じる病気のことをいいます。
虫歯は、原因菌である虫歯菌(ミュータンス菌)の感染によって起こるのです。したがって、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌は存在しません。例えば、母親や、周囲の大人が口移しで食べさせたり、同じスプーンやはしを使うことによって、唾液を通じて感染し、そのまま子供の口の中に、菌が棲みついてしまうのです。

母親の虫歯菌が多いと、子供の虫歯菌の数も多く、虫歯になるリスクが二倍以上高いというデータもあるのです。
また、歯周病も同じく歯周病菌の感染により起こるのです。虫歯菌と同様に、元々はお口の中には存在しない菌が、親から子へ、または夫婦間で感染しているためです。感染ルートとしては、食事の際の回し飲みや、回し食い、はしの使いまわし、キス、くしゃみなどで唾液を通じて感染します。

例えば、歯周病(慢性歯周炎)の代表的な菌である『ジンジバリス菌』は、親子や夫婦から感染すると報告されています。また、若年性歯周病の原因菌とされている『アクチノマイセテムコミタンス菌』は、大人から大人へと感染することはなく、10歳程度のまだ永久歯が生えそろわない時期に大人から子供へ感染することが研究により報告されています。

虫歯と歯周病は、生活習慣病と感染症という、二つの側面を持っています。

したがって、食事の改善やブラッシングだけでは、十分に予防は出来ません。虫歯や歯周病の治療をしても、その後再度感染すればまた進行してしまいます。私達は生活する上で細菌感染から完全に逃げることはできません。
つまり、外来から感染したとしても 虫歯や歯周病が進行しないような 口腔内環境を保つことが大切なのです。
そのためには自分自身で行う毎日のケア《セルフケア》と歯科での定期検診による虫歯や歯周病の早期発見、早期治療やクリーニング衛生指導等《プロフェッショナルケア(PMTC)》で常にお口の中の環境を整えておくことが大切です。

歯周病とメタボリックシンドロームの関係

近年生活習慣病が急増しています。特に問題視されるようになったのはメタボリックシンドロームです。内臓に脂肪がたまり、肥満、高血糖、高血圧などの危険因子が重なった状態を言います。また、動脈硬化の発症・進行を相乗的に進め、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの生命に関わる病気の発症の確率が一段と高くなります。

生活習慣病にはたくさんの種類があり、ひとつの病気を持っていると他の病気も併発しやすいのが特徴です。病気がかなり進行しないと自覚症状も出てきません。

歯を支える骨を溶かす歯周病も生活習慣病のひとつです。歯のまわりにつくプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌のかたまりが原因で起こり、歯ぐきでとどまっているのが歯肉炎、歯の根のセメント質や歯の根が埋まり、歯を支えている顎の骨まで広がったものを歯周炎と言います。放置したままにすると顎の骨が溶けてしまい歯がグラグラして最終的には抜けてしまうこともあります。なんと中高年の8割に発症すると言われており、成人では歯を失う最大の原因となっています。歯周病は患者数がもっとも多い生活習慣病であると言えるでしょう。

このメタボリックシンドロームと歯周病。一見なんの関係もなさそうですよね?ですが、国内外の様々の疫学的調査により両者には深い関係があることが分かってきました。

糖尿病と関係が深い

特に関係が深いのが糖尿病です。糖尿病になると唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能・組織修復力が低下し、歯周病が発症・進行しやすくなります。一方で歯周病が進むと大量のTNF-αが分泌され、インスリンの働きを悪化させ糖尿病の発症・進行を助長する恐れがあります。近年、糖尿病患者に対し歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善されたという報告もされています。

両方に共通する危険因子は肥満と糖尿です。肥満と糖尿病の両方がある人は歯周病にもメタボリックシンドロームにもなりやすいということです。歯周病とメタボリックシンドロームは同時に進行していき、そのため動脈硬化の進行が加速し、心筋梗塞や腎臓病などで死亡する確率が高まります。

歯周病はあまり自覚症状のないまま進行し、気付いた時には重度の歯周病になっていることが多いですので、自宅での日頃のケアと定期的に歯科医院にて検診を受けるようにしましょう。歯周病の予防はメタボリックシンドロームの予防へとつながります。規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事をとるよう心がけましょう。

たばこと歯周病

歯周病とはお口の中の歯周組織が歯垢:プラークに含まれる細菌の塊によって引き起こされる、歯肉や歯を支える骨に悪影響を与える病気です。
細菌によって引き起こされる感染症です。
歯と歯肉の周りに繰り返し炎症が置き、歯ぐきが痩せてしまい骨にも変化をもたらし、やがては歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。
昔は「歯槽膿漏」と言われていましたが近年では「歯周病」と呼ばれています。

歯周病の症状について

慢性疾患であり、ほとんど症状が無く進行していきますので自覚症状が出て気付いた時にはかなり進行している場合が多いでしょう。
近年この歯周病のリスクを高めるものとして「たばこ」があげられます。
たばこを吸う人は、吸わない人に比べて歯周病にかかるリスクが3倍も上がると言われています。
さらにたばこを吸っている人は歯周病の治療を行っても治りにくい、効果が出にくいとも言われています。

たばこはなぜ悪いのでしょうか?

たばこに含まれる「ニコチン」という物質が血液の流れを悪くしてしまい、歯肉の血管を収縮させて、血流障害を起こします。
歯肉の血管だけでは無く体全体の血管の流れも悪くなるので体全体の抵抗力も下げてしまいます。
病気にかかりやすい状態になりますので歯周病にかかりやすくなります。
「ニコチン」は有害物質ですから歯周病だけではなく、他の病気にもかかりやすくなります。他にもたばこのせいで歯周病の原因である歯垢や歯石が付着しやすくなります。

たばこに含まれる色々な成分が白血球を刺激するので歯肉の炎症が強く出ます。歯肉の老化も喫煙しない人よりも10年から20年は進みますので、早いうちに歯を失うことにもなります。
たばこは歯周病を悪化させるだけでなく、他にもお口の中に様々な悪影響を与えます。たばこのヤニで歯が汚れてしまったり歯肉にメラニンが沈着するので歯肉に色が悪くなります。

舌の表面につく舌苔にもヤニが付くので口臭が発生します。
ヤニまみれの舌苔をそのまま放って置くと味覚も感じにくくなるので味が濃いものを摂取するようになってしまいます。
生活習慣病にも繋がります。
他にもお口の中の病気にかかる確率も上がります。
口腔ガンリスクが非常に高くなります。喫煙者の口腔ガンによる死亡リスクは3倍にも上がるといわれています。

歯周病を悪化させるだけでは無く、全身の様々な病の原因となるたばこです。
一生を健康に過ごす為にもぜひ禁煙を始めてみてはいかがでしょうか?

タバコで起こる口の病気

喫煙により、口の中の発がんのリスクは増加します。

これは、ヤニ(発がん物質のタール)が歯に付着するためで口腔ガンは男性に多く、舌、歯肉、口底、頬粘膜などに発症します。
喫煙しない人の3倍のリスクで、飲酒しながらの喫煙はさらにリスクは高くなります。

口腔ガンの前兆に、歯肉や粘膜が白っぽくなる「白板症」がありますが、これは、非喫煙者の約6倍高く発症し、悪性化してガンになる事もあります。

口臭も感じられ、周囲にも配慮が必要になります。

また、10年間に歯を失う数も喫煙者の方が、2~3倍多いと言われています。

▲タバコと歯周病のTOPへ

禁煙による歯周病の改善

禁煙をすると、歯肉の血液量が短期間のうちに週単位で、喫煙しない人のレベルまで回復します。
そして、歯周病に対するリスクをなくすには禁煙してから、2~10年を必要とします。

歯科での禁煙指導

禁煙準備、禁煙実行、禁煙継続カウセリングがあります。

禁煙の準備:

自分のニコチン依存度、どんな時に吸いたくなるかを知る。
ニコチンの離脱症状と対処法について学ぶ。
ニコチンの離脱症状:イライラ、頭痛、だるい、眠い。

禁煙継続の対処:

  1. ニコレット」一日最大24個まで使用可能。
    ゆっくり15回ほどかみ、頬と歯ぐきの間に味がなくなるまで保持。
    30~60分。始めてから3ヵ月ほどでやめるようにする。
  2. ニコチンパッチ。医師の処方箋が必要。
    身体の一部に貼る。24時間使用可能。
    心臓病、不整脈、脳卒中、妊娠、授乳中の方は医師に相談してください。

禁煙プログラム

禁煙プログラム(「SMOLEBUSTERS」より改変)

▲タバコと歯周病のTOPへ

歯周病とからだの病気

全身のさまざまなところに影響を及ぼす

歯周病は歯を失う大きな原因。歯は、食べ物がはじめて出会う「消化器」であるだけに、歯周病で歯を失うと、からだ全体に大きな影響が及びます。
さらに、歯周病が全身のさまざまな病気に関わっていることがわかってきています。

歯周病

歯垢(プラーク)の中の歯周病菌が、歯ぐき(歯肉)に炎症をおこしたり、歯根膜や歯槽骨を溶かしてしまう病気。
歯垢は歯の表面につく白いネバネバした物質で、この中に細菌がすみついている。手抜き歯みがきや不規則な食生活などが歯垢の増える原因に。

病名の文字が赤いものは歯周病と生活習慣が関係します。
は歯周病と関係がある要注意の病気。

歯周病とからだの病気 歯周病とからだの病気

脳…脳梗塞・認知症

歯周病菌などの細菌感染で血管の内部で炎症が起こると、菌血症になったり、動脈硬化が促進されます。
動脈硬化は脳梗塞を引き起こすリスク因子です。

また、動脈硬化により血流が悪くなり、歯周病が進むと歯の周りの歯ぐきや骨が吸収されます。その結果、噛む力が衰えて脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクも高まります。

心臓…狭心症・心筋梗塞

脳と同様に、歯周病菌などの細菌感染によって動脈硬化が促進されると血管が細くなり、狭心症、心筋梗塞を引き起こすリスクが上がります。

肺…肺炎

お口の中の細菌が食べ物や唾液と一緒に誤って気管に入り、その結果、肺に流れ込むことでおこる肺炎を“誤嚥性肺炎”といいます。
歯周病になるとお口の中の細菌が非常に多くなるため、肺炎になりやすくなります。

また、カンジダ菌も多く存在するようになるために、口腔内に入れ歯があるとカンジダ菌が付着し、歯周病菌が増殖し誤嚥性肺炎のリスクもさらに上がるため、歯周病菌の除菌が必要になります。
飲み込む力が衰えた高齢者・寝たきりの人も同様です。

すい臓…糖尿病

歯周病と糖尿病には相互関係があり、お互いを悪化させる要因となることが最近の研究によって注目されてきました。
歯周病によって発生した炎症性物質プロスタグランチンが、毛細血管に侵入し全身にめぐり、血糖をコントロールするインスリンの働きを妨げることで糖尿病を悪化させます。

糖尿病により高血糖状態になると、免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。また、傷などの治癒も健常者に比べて、時間がかかります。

したがって、細菌感染症である歯周病にかかるリスクが高まるだけでなく、歯ぐきの血管が痛むことで歯周病を進行させてしまいます。

おなか…肥満・メタボリックシンドローム

糖尿病と同様、歯周病と肥満についてもお互いを悪化させることがわかってきました。
食事の際に一口30回以上かむことは、肥満予防にもなり、厚生労働省でも取り上げられています。

子宮…早産・低体重児出産

歯周病菌によって炎症物質であるプロスタグランチンが増加すると血管内をめぐり、胎盤に付着します。子宮収縮作用のある物質が分泌されその結果、陣痛が早くなり、早産や低体重児出産を引き起こすことが最近の研究でわかってきました。

アメリカの研究結果では歯周病の人はそうでない人と比べて早産・低体重児出産のリスクは7.5倍にもなると発表されました。これは喫煙者の早産、低体重児出産のリスク7.5倍と同様のリスクになります。

骨…骨粗しょう症

歯周病は歯ぐきや、歯を支える骨に炎症が起こり、歯茎、骨が吸収される感染症の病気です。
骨粗しょう症で骨の密度が減ると骨折しやすくなりますが、歯を支える骨でも同様のことが起こり、骨が急激に吸収され、痩せることで歯を失ってしまうリスクも大きくなります。

おいしく食べるために必要な歯の本数

歯数と栄養摂取

歯数と栄養摂取

<引用>8020推進財団ウェブサイト.歯とお口の健康小冊子.からだの健康は歯と歯ぐきから.

咀嚼の状況別、栄養素等摂取量
~「何でもかんで」を100%として比較~

咀嚼の状況別、栄養素等摂取量
何でもかめる人の方が、多くの栄養素の摂取状況が良好です。

ドライマウスを治さないとどうなりますか?

口腔粘膜の炎症、歯周病や虫歯の悪化、話しにくい、食べ物を飲み込みにくいなど生活にストレスが起こります。
ドライマウスは全身疾患が原因で起こることもあるので、内科、眼科、精神科皮膚科、整形外科などと提携し連絡をしつつ、診療を行う方が良いでしょう。

口腔粘膜の炎症にはカンジダ菌の関与も考えられます。

細菌検査を行うなど、早めに対応することが大事です。 カンジダ菌が減ることで、症状が緩和されやすくなります。

歯周病とドライマウスのTOPへ

1 2 »
PAGETOP